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阿佐ヶ谷J邸では計画当初から施主J氏の一つの意向があった。
建物の外観はなるべく変えずに内部を改装し、その空間を吟味するように生活し、可能な部材などは再利用し、古い住宅と共生していくというものだった。そのため改装計画は非常にのんびりとして進められ、その計画の期が熟するまで施主、設計者ともに気長に案を出し合い検討してきた。
この第4期では、J氏夫妻が以前暮らしていた住宅から保管移設しておいたキッチンユニット・造作家具等、昭和初期の知人の住宅から移設されたステンドグラス等の再利用が行われた。 外部の既存木製サッシは洗浄・補修程度にとどめると共に、新たに作るサッシも木製とし、新しく作られた外壁も既存とほぼ同じ仕様を施した。そのため外観的には既存部分と新規部分の違和感がなく改装が進められた。また平面計画としては庭との関係性に留意している。
既存では書庫、DKだった部分をダイニング、キッチン、書斎コーナへと再構成を計画した。その際、庭ーユーティリティやダイニングーキッチンー書斎コーナ等の動線はシンプルになるように留意した。シンプルな作業動線の確保と、作業時の庭への眺望の確保を目的とした平面計画がなされている。
ダイニングーキッチンの扉には移設された昭和10年製造のステンドグラスが嵌め込まれている。天井仕上は、リビングと連続するダイニングは栓練付合板染色塗装、キッチンは塗装仕上。 壁はペンキ仕上。ダイニングは周囲の仕上げにあわせ微妙にピンクを調色。床はコルクフローリング(一部床暖房仕様)。 移設造作ユニットに合わせて新規造作は面材のディテール、素材、仕上げ等を同じように製作し違和感をなくした。
トイレのカウンタではガラス製の手洗いボウルを使用。カウンタ下からライトアップを行い手元を照らす。ライトアップ照明は既製ブラケット照明器具にシェードを設計者が自作して取り付けている。
1階平面図 S=1/50