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木造住宅の一部改装である。もともとここには木製のバルコニーが存在しており、木材の腐敗によって使用不能の状態にあったものを架け替えた計画である。このお宅の庭には南阿佐ヶ谷では有名な数本の桜の木があり、このバルコニーもその桜を愛でることを主題としたものになった。
2階の和室から連続する空間を作るため畳のレベルとバルコニーのレベルをそろえている。基本的に座ることを前提としたバルコニーであり、またメンテナンスのことを考慮し、材質は木材/南洋材のジャラを使用した。堅く腐敗に強い木材であるために基本的に木材部分はメンテナンスフリーである。手すりはなるべく存在感を消すためにスチールでつくり、色は外壁=桜の幹の色と同系色を使用した。そのため室内和室に座りながらも張り出すような桜の枝振りを感じることが出来る。
メンテナンスの面では以前は落ち葉などの清掃が不可能だったために下屋部分の屋根の腐敗が心配されたが、今計画ではデッキ部分を90センチ角でブロックわけし、清掃時には一枚一枚外すことが出来る。また正方形にブロックわけしたことにより、デッキの敷き方で様々な模様が楽しめるという効果も出せる。日中桜の枝のランダムにのびる影とデッキの直線的な模様が綺麗なコントラストを描いている。
この計画では如何に桜を生かすかが目的であり、過剰な表現は避けられている。それよりも見事に育ち、これからまだまだ私達に花を愛でる機会を与えてくれる桜の邪魔をしないことが大切なことであった。建築は不要なことは何もしなくとも良いという一例である。
追記:このバルコニー完成後投光器により桜をライトアップするようになり、桜見台に集う人だけでなく街路を行く人の目も楽しませることが出来ました。