report EJIMA HOUSE 空間研究所設計「EJIMA HOUSE」オープンハウス 2001.08.04 開催 [text only]
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夏の盛りに行われたオープンハウスである。JR市川駅からバスで揺られること10数分。EJIMA HOUSEは周囲に緑も増えだす住宅街の中に建っている。
黒い木板のファサードは一見そっけないような印象があるが、建物の足元の一列の植物と、左右のスリット状の建具、そして玄関引戸上の大きなガラス窓からかいま見える内部が、建物の印象を柔らかなものに変えている。
扉から入るとまず階段、さらに2階にあるガラス張りの浴室が目に飛び込んでくる。入ったところはすぐにキッチンスペースを兼ねているが、レンジフードがないことやまだ実際の器具等も少ないので用途不明な部屋に感じる。左右の開口部を全て開け放った1階には風が十二分に通り、快適この上ない。和室の段差も人が腰掛けるのにちょうどいい高さであり、妙に和める場になっている。
中央吹抜の階段を上がると左右の居室を渡すスラブにガラス張りの浴室が見える。振り返ると玄関扉上のガラス窓であり、開放感はありすぎるくらいである。吹抜の天井の一部は白色段プラを使い、その上のトップライトからの光を和らげ拡散して吹抜を明るくしている。吹抜に向かい左右の居室の壁には外倒し戸と開き戸が連装でつけられている。
左右の居室はベランダに向けて大きく解放されているが、1階と違い吹抜側が比較的閉ざされている。この住宅はまるで昔の民家のような構成に感じる。中央の土間を挟み、和室と広間。土間の吹抜けに面して上階の居室が配置されているさまは屋根裏部屋か蚕部屋のようである。各居室には納戸が作られ、それによってちまちまとした収納がないのも、おおらかな印象を強めている。おそらく大家族制へのオマージュとかではないと思われるが、結果として平面を3つに分割し、そこを性格の違う空間にするとともに連結−分離することによっていろんな表情が、醸しだされていくような気がする。生活する人の工夫と経験があがることによって、シツラエによって空間が変化する和室のように、住宅が変化できるような気がする。
ただし2階部分の構成については、そのあたりが明快には見えてこない。浴室の位置があまりにも外部から近すぎるし、どうも使う方法としてもあの位置に浴室が配置される意図が見えない。さまざまな制約、要望による位置だとは思われるが、あの浴室をどのように家族が使っていくのかはわからないままであった。
また2階の居室に関しても吹抜に向けた建具が中途半端なものに思える。居室の性格が1階と違うために同じような開口をつけて解放しなかったのであろうが、左右2種類の建具もその差異の意図が不明である。特に子供室へと割り当てられた居室の180度の障子開き窓は開口部自体も上にあるために大人でも開閉が難しい。
開放感を強調しガラス面や開口部を多くすることは同時に熱環境的な面では不利に働くことが多く、このオープンハウス時点でも2階はどうしても熱がたまっている。この辺の処理の問題は住宅だけでなく今後建築を作る上での大きな処理ポイントであると思う。
またメンテナンス面でも玄関ファサード上のガラス面、格子扉のガラスの清掃。キッチン部分のレンジフードを無くしたことによる吹抜の換気問題等は大変気になるポイントである。全体としてこの住宅では1層部分の構成が大変伸びやかであり、篠原の住宅のよさが発揮されていると思う。それは住宅内部だけでなく、外構を含めた内外の接続処理の仕方に現れている。上下方向での空間の接続−分割の関係として解決できてないと思われる。
[追記]
担当者からお返事いただきました。あの空間構成は大家族というよりもグループホーム的なものだそうです。施主家族の行動形態を読み解いていきあの構成にいたったそうです。その辺の経緯を含めて今後HPの方にアップしたいとの意向だそうです。施主と建築家との関係性や、そこから得られる解答が見られそうですね。早いアップを期待します。 (2001.08.22)
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[空間研究所]
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